記事の内容
〚お話〛 高橋慶さん(高校3年生)
高校2年生で、単身、オーストラリアに約1年間の留学を果たした高橋さん。現地校に通い、日豪の文化比較のレポートをまとめるなど充実の留学体験をした彼女も、小学生で教室に通い始めた頃は、とってもシャイな子だったそうです。そんな彼女が英語を軸に成長していった秘密はなんだったのでしょうか?ご本人にお話をうかがいました。
目次
1:教室での経験が
留学先で力になった
高校1年生の冬から約1年、都立高校生を対象にした公募「次世代リーダー育成道場」の選考に通り、オーストラリアに留学をしました。現地に単身ホームステイ、現地校に通いながら英語で勉強をして、さらに、日豪の文化比較をしながら最終的に、自分で設定したテーマについてレポートをまとめるというプログラムです。実は海外留学自体は、初めてではなく、中学の時にも2週間の短期留学を経験していました。でも、その時は同行した日本人の子とばかり話をしてしまって、すごくもったいなかったなって、心残りがあったんです。「いつかまた留学をしたい」と思っていたところに、学校でこのプログラムの募集についての案内があり、「今しかない!」と応募しました。
英語に自信はあったんですが、留学当初は本当に苦労の連続。滞在したのは、都市部から離れた自然豊かな田舎町。話が理解できない、伝わらない、で「日本に帰りたい」とすら思ってしまいました(笑)。比較的、歴史の浅いオーストラリアだからでしょうか、日本の歴史についてすごく聞かれることが多くて、うまく説明できない自分に歯がゆい思いをしました。でも、ホストファミリーも、学校の友達もみんなフレンドリーに接してくれるので、私も「とにかく間違ってもいいから、伝えようとしなきゃ」と臆せず言葉をつくすように心がけました。3か月ぐらいで、相手の言いたいことはわかるようになり、自分が伝えたいことが自然と口から出るようになりました。この時期、私の力になっていた「とにかく伝えようとする気持ち」は、実は小学校の頃から通い始めた英語教室で身につけたものだったんです。
2:「伝えよう」という
気持ちが一番大事
小学2年生から通いはじめた英語教室。日本人先生のご自宅でレッスンを行う教室(=ホーム校)でした。わたしは最初、内気で、日本人である先生はもちろん、ゲストで来てくださる外国人の先生と話すのも、積極的になれませんでした。でも、先生が英語を「楽しい時間」と感じさせてくれて、外国人の先生とも「間違ってもいいから、どんどん伝えるの」と教えてくれました。実際、慣れない英語で、ジェスチャーも交えながら一生懸命話すと、気持ちが伝わるんです。そうすると相手も聞き直してくれたり、ゆっくりと繰り返してくれたり、なんとか理解しようと歩みよってくれる。意思疎通ができるようなると、その快感が、「もっと話したい」というやる気になり、わたしはいつのまにか英語で話すことが好きな子になっていました。
3:夢は広がり、
舞台は世界に!
留学中の課題でもあった、文化比較の中で考える社会課題のレポートでは、自分が捨て猫を保護して飼っていた経験もあり、日豪の「動物保護」についてまとめました。留学生活を通して得たものは、英語そのもの上達だけでなく、英語「で」学び、考え、伝えるという想像以上の経験でした。そんな経験は、私の将来の夢も広げてくれました。私の夢は、日本と海外の文化理解を進める「かけはし」のような仕事をすることになりました。大学でも、国際舞台で仕事をする力になるようなことを学んでみたいと思っています。
幼い頃、プレゼントで英語の絵本をもらったことがあったんです。「これがすらすらと読めたらいいな」「英語を話せたらかっこいいな」という憧れを持ったことをよく覚えています。そんな自分が今、「世界を舞台に活躍したい」という夢を持てるようになったのは、「間違ってもよい、伝えようとする気持ちを大事にして」と教えてくれた英語教室のでの原体験が生きているのだと思います。